ミンスパイ
クリスマスに好まれる甘いお菓子のひとつにミンスパイがある。 ほろほろとしたパイ生地の中にフルーツがぎっしり詰まっており、ブランデーに漬け込まれ、柑橘類やマイルドなスパイスで味付けされていることが多い。 しかし、ミンスパイはもともと塩味のパイであり、丸いパイではなかった!
チューダー朝時代には、飼い葉桶のような形の長方形で、蓋の上に赤ん坊のイエスが描かれたお菓子がよく売られていた。 このお菓子は、イエスとその弟子たちを表す13種類の材料で作られており、どれもクリスマスの物語を象徴するものだった。 レーズン、プルーン、イチジクなどのドライフルーツのほか、羊飼いを表す羊肉やマトン、賢者を表すスパイス(シナモン、クローブ、ナツメグ)などが入っていた。ミンスパイが丸い形になったのは、宗教改革後のことである。
チューダー朝のミンスパイは、蓋の上に赤ん坊のイエスが描かれている。
イチジクやレーズン、ハチミツといった甘い食材と肉を混ぜるのは、我々にとってはかなり味気ないように思えるが、中世ではごく普通のことだった。
関連項目: ブレナム宮殿チューダー朝のクリスマスのごちそうには、数種類のパイが含まれていた。 パイのパイ生地はコフィンと呼ばれ、小麦粉と水を混ぜただけで作られることが多く、主に飾りとして使われた。 小さなパイはチューエットと呼ばれ、上部がつまんであり、小さなキャベツやシュエットのような形をしていた。 小さなミンスパイをチューエットではなく「ミンストパイ」と呼ぶ最古の文献がある。1624年のレシピに "For six Minst Pyes of an Indifferent Bigness "とある。
関連項目: ヘンリー1世ミンスパイに肉が使われなくなったのはいつなのか、正確にはわからない。 中世とチューダー王朝時代には、ミンスパイに使われる肉は子羊か子牛だった。 18世紀になると、タンやトリッパが使われるようになり、19世紀には牛肉のミンチが使われるようになった。 ミンスパイに肉が使われなくなり、フルーツがフィリングされるようになったのは、ヴィクトリア朝末期から20世紀初頭にかけてである。(スエット入りだが)。
現在でもミンスパイには伝統があり、ミンスパイを作るときは時計回りにかき混ぜると縁起が良いとされている。 また、シーズン最初のミンスパイを食べるときは必ず願い事をし、ナイフで切ってはいけないとされている。